実績紹介

木工・その他 Woodwork / etc.

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耐力壁実験(通し貫4段)

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信州木造塾×アカシヤ

私が所属している長野県建築士会では、信州木造塾という勉強会を開催しています。木構造を計画する際に留意すべき点を数値データの使いながら学んでいます。大工の経験則だけでなく、数値で見える形として構造を理解することはとても大切だと私は考えます。勉強会のなかでもとりわけ人気の講義はモックアップ(原寸模型)を使った耐力実験で、主に構造模型ごとの限界耐力を測定し、現場には木材が軋む音や破壊される音に毎回歓声が上がります。破壊実験後の試験体を目の前に、メイン講師を勤める山辺豊彦先生が解説をしてくださいますが、それはとても興味深く、勉強になります。そして、山辺先生は私たち大工の意見をとても真剣に聞いてくださいます。そのような先生のもとに集まった大工たちと今では交流が生まれ、私の財産にもなっています。
私たち大工が手刻みで構造材を加工する際の最大のメリットは木材のひとつひとつを手に取るということです。木材を見つめ、質感を肌身に感じることで適材適所に配置します。例えば、構造材に墨を付ける際に私たちはあえて節を生かすことをします。写真10を見てください。節を生かした部材(写真:下)は通常の部材(写真:上)よりも、座金による部材へのめり込みが著しく小さくなります。このような効き所を踏まえた加工ができることも手刻みの強みです。また、栓打ちを用いた追掛け大栓継ぎの試験体での実験(写真11)では、実験装置と緊結されていたボルトを引き千切る(写真12)ほどの強度を持ち合わせていることがわかりました。この試験体もプレカットではなく、大工の手刻みによるものです。
追掛け大栓継ぎはプレカットで主流とされている鎌継ぎに比べ約2倍の強度を持つことが実験からわかっています。様々な長所を生かし、模索しながら歩む毎日です。

 

DATA

主催団体
公益社団法人長野県建築士会

所属団体
公益社団法人長野県建築士会ながの支部

 

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1:耐力壁実験
(筋交い・端部金物留め)

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2:同左
(固定金物近景)

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3:講師の山辺豊彦氏

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4:耐力壁実験
(構造用合板)

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5:耐力壁実験
(構造用合板腰壁)

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6:耐力壁実験
(ダイライト)

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7:座屈実験
(通し柱の胴差仕口加工欠損)

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8:接合部実験
(長ほぞ込栓打ち)

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9:接合部実験
(雇いほぞ車知栓留め)

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10:接合部実験
(サクラボルト留め)

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11:接合部実験
(追掛け大栓継ぎ+栓打ち)

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12:同左
(緊結ボルトのせん断状況)

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TEL.026-232-7807

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